わたし個人の話になりますが、先日、茨城県牛久市にある育成牧場「K-oneステーブル」を訪問させて頂きました。元JRAジョッキーの谷中公一さんが経営されています。
※注※ K-oneステーブルは一般の方は訪問・見学はできません
今回は仕事での訪問だったのですが、実は訪問の前にK-oneステーブルをお手伝いされている方からゴットフリートの会のTwitterにいいねをもらっており、「その方に会えるかな?」と密かに楽しみにしていました。
その方は、ゴットくんが繋養されているマーサファームの人気者・ハヤテくんの「ハヤテの会」の会員さんだったのです。ゴットくんのおかげで、いろいろなご縁が広がっています。
命をつないだ一筋のご縁
ゴットくんは不思議な縁に恵まれている馬のようです。
時を少し遡って、ゴットくんが引退馬としての道を決める時のお話をしたいと思います。
ゴットくんが地方競馬に移籍してしまった時、私は彼の将来に関して何もアクションをとれませんでした。これは競走馬ファンの多くが直面するシーンかもしれません。
その一方で、ゴットくんが岩手競馬に移籍してからも調教師さんをはじめとした関係者の方に「引退後に引き取りたい」と連絡し続けていた元出資者のTさんという方がいました。
しかしTさんは「ゴットフリートの余生を一緒に支えてくれる仲間はいない…」と思っていたそうで、サポートホース団体の設立は諦めていたそうです。
そのTさんの存在をホースメッセの引退馬協会のブースで伺う機会があり、「Tさんが引き取った際にはサポートをしよう」と決めていました。そこで引退馬協会さんに「何か支援できることはないか?」というメールを送りました。
そこでゴットくんが身体的な問題で再就職支援プログラムの卒業を断念せざるをえないという話を聞き、自分でサポートホース団体を立ち上げるという選択肢を選びました。
そして最終的にTさんに立会人になって頂き、正式にゴットフリートの会がゴットくんの余生について責任を持つこととなったのです。
マーサファームとの不思議なご縁
サポートホース団体を立ち上げるというと、たとえば【馬を飼育する知識や技術がないとダメ】とか【広い土地を持っていないとダメ】とか、そういう風に考えてしまいアクションがとれない方もいるかもしれません。
しかし、決してそんなことはありません(もちろんあるに越したことはありません)。
私がサポートホース団体を立ち上げると決めた当時は、ただのいち競馬ファンであり、ただの一口馬主の会員にすぎませんでした。乗馬経験もありません。しかし引退馬協会さんに相談に乗って頂き、準備を進めました。
その中で一番頭を悩ませたのが「預託する牧場選び」でした。
乗馬経験ゼロの人間に知り合いの牧場はありません。引退馬協会さんから、いろいろな牧場を提案して頂きました。また身近な一口馬主の仲間にも相談に乗ってもらいました。
そして、ちょうど偶然、競馬ゲームを通じて知り合った古くからの友人がマーサファームに行くという話があり、同行させて頂くことになったのです。
そこでマーサファームさんのスタッフさんにゴットくんの状況を相談したところ、真摯に答えて頂き、ゴットくんの余生の送り方がイメージできました。
その時、ちょうど馬房がひとつだけ空いていたことも運が良かったと言えます。
小さなアクションが引退馬の未来を変えていく
こうして振り返ってみると、いまゴットくんが引退馬ネットのサポートホースになった道のりは順風満帆ではなかったかと思います。ひとつでもかみ合わなかったら、全然違った未来もあったでしょう。
でもゴットくんを好きだった方々の小さなアクションの積み重ねで未来は変わりました。
- 地方競馬に移籍したあとも連絡を取り続けたTさん
- サポートホース団体に協力してくれると申し出てくれた競馬仲間
- マーサファームに連れて行ってくれた友人
そしてサポートホース団体を立ち上げた今も、
- ゴットくんサポーターになってくださった皆さま
- 積極的にゴットくんの情報を呟いてくださるハヤテの会をはじめとしたマーサファーム・ファンの皆さま
- 引退馬支援に関する情報拡散に協力してくださる皆さま
など、本当に多くの方に支えられてここまで来ることができました。改めて御礼申し上げます。
ひとりひとりは直接の知り合いではないのに、ゴットくんの周りには不思議なご縁があるようです。そのことを強く感じている今日この頃です。
ひとりひとりがやれることに限界はあります。
でも「この馬を大切にしたい!」の想いは世界のどこかでつながっている。
最初の一歩は「引退馬支援のイベントに足を運んでみる」「メールで聞いてみる」、そんなことで構いません。その一歩があなたが大切に思っている馬の運命を変える一歩になるかもしれないのです。
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